2024/06/12
展示会での回遊施策で満足度アップ!来場者の滞在時間を延ばす秘訣とは?
様々な部署や人の協力を経て開催される展示会。せっかくやるなら来てくれたお客さんにはいろいろなブースや展示、商品を見て帰って欲しいですよね?
とはいえ、皆さんも展示会に参加してすぐに帰ってしまった経験などは無いでしょうか?展示会への滞在時間を伸ばすには、来場者に楽しんでもらうことが重要です。
今回はそんなお悩みに答える回遊施策をご紹介します。
目次
・なぜ展示会を開くのか?
∟展示会の目的
∟満足してもらうこと・楽しんでもらうことで滞在時間は伸びる
・来場者の満足度を高める3つの回遊施策
∟展示会の環境における回遊施策
∟エンターテイメントによる回遊施策
∟学びによる回遊施策
・実際の回遊施策の事例
・回遊施策の効果測定
∟滞在時間は満足度の鏡
∟滞在時間を測る方法
∟満足度向上がもたらす長期的な効果
・まとめ
なぜ展示会を開くのか?
展示会の目的
「なぜ展示会を開くのか?」というと、より多くの人に知ってもらいたい何かがあるからだと思います。特に、自社単独で開催するプライベートショーなどといったものは、自社の商品や最新技術を取引先のお客様に知ってもらい、ビジネスにつなげていくというのが大きな目的の一つになってくると思います。
そんな目的がある中で、せっかくお呼びしたお客様がすぐに帰ってしまったとなると大変。準備したブースや商品を見る機会や出会いが失われてしまうので、展示会を開いた成果が薄くなってしまいます。つまり、展示会の目的達成のためには展示会の中により長く滞在してもらうということが一つの目標になるわけです。
満足してもらうこと・楽しんでもらうことで滞在時間は伸びる
では、どうすればお客様の滞在時間は伸びていくのでしょうか?ズバリ、滞在時間の長さは展示会への満足感や楽しさが影響してきます。
展示会の入り口を入ってからストレスを感じることなく楽しく過ごすことで、来場者の滞在時間は自然と伸びていきます。
ここからは来場者の満足感や楽しさを高めるための回遊施策についてご紹介していきます。すぐに取り入れることができるものもあるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
来場者の満足度を高める3つの回遊施策

展示会の環境における回遊施策
まずは展示会の全体設計から見ていきましょう。展示会の満足度を高めるためには、会場におけるストレス要因を減らしていくことが重要です。ここで気を付けるべき項目としては「入場受付」「会場のレイアウト」「回遊導線」などが挙げられます。
入場受付
みなさんも展示会のみならず、イベントの会場で長い時間列に待たされた経験は無いでしょうか?いつ自分の番が回ってくるのかわからず、進んだと思えばまた止まり…入り口からこの調子では先が思いやられます。
受付が混んでしまう原因の多くはスタッフのオペレーションが徹底されていないことにあります。単純に来場証を見て消込を行うというだけなら簡単ですがなかなかそうもいかず。来場証を忘れた人の対応をしたり、「○○さんが来たら教えて」などと言われて連絡をしたり、「報道関係の人が来たらこの資料を渡して」などと様々な業務が発生します。
意外と細かな業務が多い中で受付スペースが狭くてスタッフをあまり配置できないような状態だとさらに悲惨です。長蛇の列は会場の外まで続いてしまうかもしれません。
来場者数が限られておりスタッフにも余裕があればマニュアルの徹底で対処が可能ですが、来場人数が500人を超えるような場合はマニュアルの徹底だけではなかなか難しい場面もあります。そんな時はイベント受付システムの導入をするなどして、受付時の自動来場通知や来場者の属性表示などを活用して運営することで、業務の負担を減らしつつ、手作業によるミスを無くすことができます。
会場のレイアウト
来場者にとって展示会は非常に疲れます。会場に入ったとたんに情報の嵐。息つく暇もなく次から次へと新しい情報が目に飛び込んできます。そんな疲れた旅人のような来場者のためにも、ある程度の規模感のある展示会では休憩スペースを設けるのは必須です。
もらったチラシや資料をカバンにしまったり、ひと息ついて今までの内容を整理したりするスペースは必須です。最近ではテレワークもすっかり定着しており、展示会の参加中でもミーティングに参加しなければいけない場面も多いかと思います。そんなときのためにも、休憩スペースは設けておきましょう。
他の工夫としては、会場全体のゾーニングも重要です。複数のカテゴリの商品やサービスを展示する会場の場合には、それぞれの枠でくくって固めて配置することで来場者は回遊がしやすくなるので、ゾーニングも回遊施策の一つであると言えます。
固める枠としては、商品を提供する側の都合ではなく来場者の都合に合わせましょう。具体的には来場者のニーズや課題に対するソリューションとしてどう括れるか?ということが重要になってきます。そのうえで、デモエリアや商談エリア、商品展示エリアなど目的が明確に異なる催しを行う場合にはそれでも固めることが必要になります。
回遊動線
会場全体のゾーニングから続く話ですが、来場者が回遊しやすいか?ということにも気を配りましょう。歩きやすいようになっているか?会場内で迷わないようになっているか?がポイントです。
通路が狭いうえに人が多いと歩くことができずに「この通路はやめて迂回しよう」となってしまうと、その通路に展示された商品たちと出会う機会が無くなってしまいます。そんなことにならないためにも、通路幅の確保は重要です。
商品棚やケースが配置されている小売店においては、おおよそ1m10cmが最低限必要な通路幅だと言われています。これはベビーカーや車いすの方でもストレスなく通ることができる道幅です。この最低限の幅を守りつつ、可能な限り展示品を出せるような設計を心がけましょう。
一方で、通路幅は広ければよいというわけでもありません。広すぎると空間が無駄に広く感じられ、活気が感じられなかったり、来場者が方向を見失う可能性も出てきます。展示品の容量と会場の広さのバランスを見てレイアウトを作っていきましょう。
会場内で迷わないように工夫することも回遊施策のうちの一つです。スーパーマーケットで目当ての商品の棚やコーナーが見当たらず、諦めたことはありませんか?あれと同じく、展示会でもどこに何があるかを明示しておくことが必要です。
会場内のマップを用意したり、天井からカテゴリの名称をつるしたり、歩いていても先のほうのブースが何なのかわかるように色を分けたりと、様々な工夫をすることができるのでぜひ取り組んでみましょう。会場全体がわかりやすくなれば、機会損失を減らせるほか、スタッフへの問合せも減らすことができます。
エンターテイメントによる回遊施策
続いての工夫は、来場者に楽しんでもらうための回遊施策です。ストレスを減らすだけでなく、展示会をエンタメとして楽しんでもらう工夫をすることで展示会場を回遊したくなり滞在時間も伸びていきます。
展示会のエンタメ施策で一番活用されているのがスタンプラリーです。様々なブースに立ち寄ることでスタンプがたまっていき、最後に景品と交換できるというもの。簡単に導入することができ、なおかつ効果の高い施策として人気です。
とはいえ、いい大人がスタンプカードをもってスタンプを集めるというのもあまり筋がよさそうではありません。読者の方でもそんな企画があってもなかなか参加しないのではないでしょうか?そんな時は来場証を使います。
来場証とは、申し込みの完了時に発行され、受付で確認をするためのものです。最近ではそれを入り口でネックピースに入れ、名刺代わりに活用する展示会も一般的になってきました。その来場証をスタンプカードの代わりにします。
来場証の印字されたQRコードを各ブース読み込むことで、”チェックイン”することができ、そこでポイントを付与することができます。指定のブースを回ってQRコードをかざすことでポイントが付与され、最後は出口でQRコードを読み込んでもらい景品をもらう、という施策にすればグッと参加イメージがわくのではないでしょうか?お手軽な施策なので、ぜひ活用してみてください。
学びによる回遊施策
回遊施策の最後は学びによる回遊施策です。平たく言えば、セミナーです。
展示会の開催を企画されている企業様であれば、最新技術や業界トレンドをお持ちの方も多いはず。そんな知識を展示会の場でセミナーという形式で来場者に提供します。
魅力があるセミナーを開催することで「〇時から△△のセミナーがあるからそれまで会場内を適当にぶらぶらしようかな」という状況が生まれ、結果的に滞在時間を延ばすことにもつながっていきます。
さらに、セミナーの利点は単純に滞在時間を延ばしたり、「我が社は○○に詳しいですよ」と宣伝するブランディングにとどまりません。セミナーの参加を事前申込制にすることで個人情報を取得することができ、そういった情報が欲しい人=興味のある人のリストを作ることができます。
このリストはマーケティングにおいて非常に重要。営業部に共有することで商談アポに繋がったり、興味のありそうな内容でメールマガジンを配信することで今は必要がなくともいつか必要になった時に声をかけてくれるようになります。
セミナーを開催するにはそれなりに準備が必要ですが、回遊施策の枠にとどまらない効果を見せてくれるので、そういったネタをお持ちの企業様はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
実際の回遊施策の事例

ここからは実際に弊社がサポートした展示会におけるエンターテイメントを活用した回遊施策の事例をご紹介します。6,000万人を超えるユーザーがいる全世界的デザインツールの大規模なユーザー交流会を実施した際に、来場者の管理システムとして弊社のQ-PASSをご利用いただきました。
イベントは大きな展示会場で行われ、最新技術を紹介するセミナーや上手な活用方法の発表会などユーザー同士の交流を活発にする催しが開かれ、国内外を問わずに多くの来場者が会場に集まりました。
クライアントの最も大きな課題として、「イベント内でいかにユーザー同士の交流を活発に促せるか?」ということが重視されており、そのためにも「会場内に少しでも長くいてもらう」「より多くのアクションを起こしてもらう」という、まさしく回遊施策をどうするか?が大きなポイントとなりました。
そこでQ-PASSでは先述のスタンプラリーでご紹介した「アクションポイント付与機能」をご提案。イベント内でのアクションに応じて来場者のQRコードを読み込んでポイントを付与していきました。
付与したポイントは、イベント後に行われるレセプションパーティで飲み物や軽食と交換できるような仕組みを設定。結果的に来場者の積極的なアクションが促され、結果的に会場滞在時間は向上し、その後のアンケートでの満足度も非常に高いものであったと好評頂いております。
回遊施策の効果測定

滞在時間は満足度の鏡
さて、ここまで様々な角度で満足度を高めるための回遊施策をご紹介してきました。実際に取り入れることが出来る施策も多数あったかと思いますが、取り入れるとなると問題になってくるのが、どうやって効果を測るの?という点です。
展示会を楽しんでもらうためにポイントラリーを導入してみたけど…本当に効果あるのこれ?という疑問もわいてくるでしょう。満足度というものは来場者一人一人の感覚的なものなので、アンケートを取るなどすることでなんとなくはわかってきますが、出来れば定量的な指標も欲しいところ。
そこで一つの指標として見て頂きたいのが滞在時間です。来場者が満足したかどうかは、滞在時間を見ることで計測ができます。もちろん、滞在時間は様々な要因がある指標なので満足した=滞在時間が伸びるというわけではありません。あくまで指標の一つとして使える、という点をご留意ください。
滞在時間を測る方法
ではそんな滞在時間をどうやって測ればよいのか?ここでも来場証が役に立ちます。ポイントラリーで活用した来場証ですが、入り口と出口で来場証のQRコードを読み込む展示会設計にすることで入場時間と退場時間を記録することができ、滞在時間を計算することができるようになります。
展示会を定期的に開催されている場合は毎回この滞在時間を計測することで、回遊施策の効果測定を行うことができます。さらに、イベント受付システムの利点は滞在時間がわかることだけでなく、申込フォームに記入された属性で抽出して滞在時間を見比べることもできるのがポイントです。
例えば、「一般の方の滞在時間は短かったけど、役員の方の滞在時間は長かった」や「取引先関係者の滞在時間は短かったけど、一般の来場者は長かった」などの傾向が出てくることで。施策のブラッシュアップや課題の洗い出しに活用することができます。もちろん、「回遊施策に参加した人としなかった人の滞在時間の差」も見比べることができるのでご活用ください。
満足度向上がもたらす長期的な効果
回遊施策を打つ=展示会に満足してもらう=滞在時間が伸びる=新たな出会いの機会が生まれる、ということをご紹介してきましたが、満足度が高まることのメリットは短期的なものだけでなく、長期的なものもあります。
「この会社の展示会に行くと、何かしら学びやおどろきがあるんだよなぁ」と思ってもらえれば、次回の展示会にも来てくれたり、同僚を誘って参加してくれたり、他社の人に紹介してくれたりすることも起こります。長期的な面で見ても、こういった回遊施策に取り組むことは非常にメリットの大きなことでしょう。
まとめ
今回は展示会の満足度を高めるための様々な回遊施策をご紹介しました。
展示会を成功させるためには、ストレスを感じさせないことと満足度を高めることが重要です。両面での施策を打っていきましょう。中には、非常に工数がかかったり、手作業では難しいものもあります。そういった時には来場者管理システムを導入して業務の負担を軽減させていきましょう。
Q-PASSでは今回紹介した機能以外にもたくさんの機能を必要な分だけ組み合わせてご利用いただける形式になっているので、「こんなイベントをしてみたいな」「展示会の中でこんな課題を解決したい」というお悩みがあれば、ぜひ一度お問合せフォームよりご相談ください。