2017/10/13
クライアントが来たくなる開催前リマインドのポイント

自社イベント(プライベート展)開催において、集客は生命線です。対面でパンフレットを渡す、既存顧客にメールを送る、広告を出すなど、あらゆる方法を駆使してイベント前に告知・集客・宣伝を行っている企業様も多いと思います。
しかし、「申し込みがあった=必ず来場してくれる」というわけではありません。もちろん、当日の天気や交通事情により当日来場される方の「歩留まり率」は変わってきますが、イベント開催日までの努力により、この歩留まり率を向上させることができるのです。
以下では、どうすれば、「申し込んだお客様がイベントに来たくなるか」についてお伝えします。
目次
・申し込みされたお客様には様々なタイプがいる
∟1.必ず来場されるお客様
∟2.ぜひ行きたいと思っているお客様
∟3.行けたら行くというお客様
・申込者の歩留まり率を上げるための顧客フォロー術
・来場前コミュニケーションは「メール」と「電話」で行う
・イベント前のメール送付のポイント
・イベント前の電話のポイント
・適切なタイミング、適切な内容でコンタクトすることが重要
申し込みされたお客様には様々なタイプがいる
イベント参加の申し込みがあったとしても、「どのような理由で申し込んだのか」はお客様によって異なります。「申し込み=絶対にイベントに来場したい熱意があるお客様」というわけではありません。いくつかのお客様のパターンを見ていきましょう。
1.必ず来場されるお客様
例えば、貴社の既存顧客で、貴社の製品サービスのことが大好きで、新しいものを知りたいというお客様であれば、来場される確率は100%に限りなく近いです。こうしたお客様は、急なトラブルでも入らない限りは必ず来訪してくれます。
また、差し迫った課題があり、その課題が貴社の製品サービスで解決される可能性が高いと考えている新規顧客も、来場される確率は高いです。
2.ぜひ行きたいと思っているお客様
貴社の製品サービスをすでに使っていて、今後も継続して利用するお客様であれば、「製品サービスの新しい機能や、事例などあれば聞きたい」と思っているのでぜひ行きたいと思っています。また、貴社のサービスに興味関心があるお客様も同じように、ぜひ行きたいと感じています。 「ぜひ行きたい」と思っているお客様は、申し込み時に具体的な内容を記入されています。例えば「現行の製品がサポート切れとなり、次の製品を検討している」「高額な他社製品からの移行を検討している」などです。
ただ、必ず来場されるお客様ほど、来場意思が強固ではないので、天気が大幅に荒れたり、交通機関の運行に支障が出た場合などは、来場されない可能性が高いです。
3.行けたら行くというお客様
差し迫った課題があるわけではないが、情報収集の一環としてちょっと興味がある、というお客様です。こうしたお客様は、「申し込みをするのは面倒だが、申し込みしないと席が埋まってしまうかもしれないので、『とりあえず』申し込んでおくか」という軽い気持ちで申し込みを行います。
「行けたら行く」というお客様は、そこまでの熱意がないため、申し込み時にコメントを残すことは少ないです。そして申し込み時に「導入予定時期」という回答項目があったとしても、「1年以上先」「未定」といった回答をしている場合が多いです。
そして、「仕事がちょっと忙しくなった」「外に出るのが面倒になった」「雨に濡れたくない」といった軽い理由で、不参加・無断キャンセルとなります。また、イベントに申し込んだこと自体を忘れてしまうのもこの層になります。
申込者の歩留まり率を上げるための顧客フォロー術
では、具体的にどのような方法でお客様に来場いただくかについてです。
来場者情報のリアルタイム共有は来場前コミュニケーションにとって重要
先ほどのお客様分類では、1.の「必ず来場されるお客様」以外の歩留まり率をいかに高めるかが重要になります。このためには、「情報のリアルタイム共有」「事前の告知・PR活動」が重要になってきます。
まず、申し込みがあったら、申し込み情報をイベント関係者全員がいつでも、誰でも見られる状態にしておくことが必要です。イベント関係者の誰かひとりだけがExcelファイルで情報を持っている、という状況では、状況が見えにくいため望ましくありません。
例えばこのような事例があります。
ITシステムのハードウエアの展示会だったのですが、少人数でイベントを取り仕切る必要があったため、開催で機材の手配、会場の手配、集客の手配に大忙しで、どこまで集客できたという情報を「人数」でしか共有できていませんでした。このため、「どの会社の誰が来る」という情報の共有が遅れ、結果来場前のコミュニケーションが後手に回り、苦労した割に人が集まりませんでした。
これでは、努力が報われません。
関係者全員が、リアルタイムで来場者情報を確認できる状況は非常に重要です。イベント担当メンバーの誰か一人に「情報共有する努力」を押し付けてはいけません。このためには、イベント申し込みサイトから申し込みがあったら、即座に誰でも見られる仕組みを持ちましょう。
来場前コミュニケーションは「メール」と「電話」で行う
次に、お客様とのコミュニケーションを取る方法です。方法は主に2つで、「メール」と「電話」になります。
ちなみに、「メールと電話以外にもコミュニケーション方法があるのではないか」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、メールと電話以外の方法は以下のように訴求力が弱いため、一般的には推奨されません。
- – 申し込み後のDM送付
- – DM送付は、過去にイベントに来場された方向けの集客としては利用できます。しかし、既に申し込んで頂いた方向けには効果的ではありません。 その理由は、下記3点となります。
- – 申し込み受付から発送、到着までに時間がかかる
- – 費用がかかる
- – 送る手間がかかる
- – 申し込み後のFAX送付
- – 中小企業の一部では、いまだFAXが好まれる場合もありますが、ホームページからイベントが申し込みができる方(パソコンやスマホをある程度操作できる方)は、むしろFAXを好みません。白黒で情報量も少なく見にくい、そして会社に来ないと送られてきたFAXを見られないためです。
では、以下では「メール」と「電話」について詳しく見ていきましょう。
イベント前のメール送付のポイント
一例ですが、申込者全員にイベント2週間前、1週間前、3日前、前日といったペースでメールを送付します。
メールを送付する理由は、「イベントがあるということ自体を忘れないでいてもらう」ということと、「イベントの内容を事前に少しお伝えすることで興味関心を喚起する」ことの2点となります。
よって、「申込有難うございます。10月1日のイベント、来場お待ちしています」という、単なる呼び込みメールを送るのではなく、読んだ人に「なるほど、これは面白そうなイベントだ」と思ってもらうメールを送ることが必要になります。通知だけすればよいのではなく、メールの中身が重要になってきます。
「ここまでメールで説明してくれたから、イベントに行かなくても理解できた」という所まで説明してもいけませんし、「メールには色々書いてあるが、今一つ行く意味が分からなくなった」という逆効果になってしまうメールを送ってもいけません。分量も、少なすぎると開催日の告知だけになってしまいますし、多すぎるとうんざりされるので、ちょうどよい分量を考える必要があります。
また、実際にあった失敗例としては、担当者が2週間「毎日」メールを送り続けたことです。担当者は非常に熱意があったのですが、来場者からは「毎日メールが来たので、迷惑メールフォルダに入れようかと思ったよ」と言われ、不評でした。どの程度の頻度でのメール送付が適切かは、ご自身の経験と常識から判断する必要があります。
イベント前の電話のポイント
イベント申し込み時には、お客様の電話番号を頂いているので、その番号に電話します。
お客様が、担当営業が付いている既存顧客であれば、担当営業から電話して「イベント、相当力入れてますので、ぜひ来てくださいね」と来場を約束させるのが最も効果的です。顔も名前も知っている人と約束すると、「行かねばならない」という心境になるためです。
初めてのお客様の場合、直接電話するのは気が引けると思う方もいるかもしれません。しかし、お客様自身が申し込んだイベント来場の件で電話するのですから、迷惑電話にはなりませんのでご安心ください。
申し込み時の「備考欄」に、特に何も書いていないお客様であっても、実際に電話をして、「イベントでご紹介する製品サービスのどの部分に興味がありますか」などと質問すると、現在の状況について詳しく教えてくれる場合があります。
これに対して、「イベント内でまさにこのような内容を説明させて頂きます。当日、製品責任者もおりますので、詳しい機能のご紹介もできます」とお伝えすれば、お客様の期待値が高まり「疑問が解消されるようだから行ってみようか」という気持ちになる可能性は高いです。
また、丁寧な電話での説明はイベントへの参加の後押しになる、という効果もあります。
適切なタイミング、適切な内容でコンタクトすることが重要
お伝えしてきました通り、イベント告知のための、イベント前の申し込み者へのコンタクトは、来場者の歩留まり率を高める効果があります。しかし、使い方を間違えると「不要な宣伝メールばかり送ってくる」「メールの分量が多すぎて読む気が起こらない」「鬱陶しい営業電話が来た」と思われて、逆効果になる場合があります。
重要なのは適切なタイミング、そして適切な内容でコンタクトを行うことです。お客様がイベントに来たくなるコミュニケーションを実現することで、イベントの歩留まり率を向上させましょう。